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道しるべ

2/15 てんでんこ

今回の東北旅行では、仙台空港に着いて貸し切りバスに乗っての移動でしたが、ガイドさんからご当地の色んな興味深いお話を聞けるのもバス旅行の楽しみの内で、その中で教えて頂いた1つに「てんでんこ」という言葉がありました。
 
恥ずかしながら、私が初めてこの言葉を知ったのもつい最近でしたので、ガイドさんのお話に出て来たこの言葉が耳に残りました。
 
すなわち「てんでんこ」とは、東北地方では「各自」「めいめい」を意味し、転じて「津波てんでんこ」という言葉で「津波が来たら、取るものも取りあえず、肉親にも構わずに、各自てんでばらばらに一人で高台へ逃げろ」とか「自分の事は自分で守れ」という意味だそうで、この地方の津波防災伝承の1つとの事で、その教訓はおそらく多くの犠牲を払って来た先人達の智恵なのでしょう。
 
しかし「津波が来たら肉親にも構わずに、・・・」と言う行動は、見方によれば現代的なマニュアルに反する教えでもあり「利己的」とか「組織立った指示に従わなくてもいい」と言うことにもなり、特に災害弱者である高齢者が多い現代においては、中々難しい事かも知れません。
 
でも後で調べてみれば、今回の震災でも「津波てんでんこ」の教えを守って小学校などでは校長先生の指示無しに各自が高台へ避難し、登校者全員の無事が確認された実例もあった様で、逆に文科省のルールに従い担当の指示を待っていたことで、逃げ遅れて津波の犠牲になったケースも多かったとの話もありました。
 
翻って現代のビジネス環境の事を思えば、とても平穏安泰な時とは言えず、むしろ言わば緊急時に近い時勢とも言え、会社の動きもこの「てんでんこ」の考え方は、特に今の様な時代にはとても意義深く示唆に富んだ教えの様に思えました。
 
底浅いマニュアルでも、平常時にはある程度は役にも立ちますが、今の様な競争(緊急)時は、各自が現場の生きた情報を元に夫々が智恵を生かしてこそ初めて乗り切れる(生き残れる)時代ではないでしょうか。
 
その為には、この例に沿えば、前提として「高台へ行く」という共通目標が、全社員に共有されている必要があり、その土台作りも決して見逃せません、そして、肝心な事では統一感があり、一方で日頃の現場では各自皆それぞれに責任感を持って自由に活動する、、、是非にも当社もそんな気風の会社でありたいと思いました。
 
本当に色々と考えさせられて、教えられる事ばかりです。
2012-02-15 16:19:36 | RSS