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道しるべ

3/1 共有地の悲劇

「とある遊牧地帯に共有の牧草地がある。私有地なら牧草を食べつくさないよう牛の数などを制限するが、誰もが利用できる共有地の場合、周囲の遊牧民は自分の利益を最大化するために牛の数を増やしすぎる。
頭数制限など何らかの規制を加えないかぎり牧草地は荒れ果ててしまう。つまり個々の利益を最大化することで、全体の利益は損なわれてしまう」
 
これは、The tragedy of the commons「共有地の悲劇」といわれ、1968年に生物学者ギャレット・ハーディンが雑誌「サイエンス」に掲載したモデルで、今日では、多数者が利用できる共有資源が乱獲されることによって資源の枯渇を招いてしまうという経済学における法則となっています。
 
「個人の利己的な利益追求が社会的コストを発生させ、社会全体を悲劇的状況に陥れる社会的ジレンマの例」とのことですが「周りと協力すれば誰にとってもいい結果であったものが、自らの利益追求を図ろうとしたため、最終的には誰にとっても悪い結果になってしまうことを意味している」との見方とすると、これは、どこの組織でも良く見る情景では無いでしょうか。
 
組織内での出来事に言い換えれば、個人の効率を求めるが故の部分(個人)最適が、必ずしも全体(会社)最適にはならないということです。
 
恥ずかしながら時には当社もその例外ではありませんが、ただ社員さんが皆利己的にのみ仕事をしているのか、、というと当然ながらそうではありません、返ってそれぞれが良かれと思ってやっている場合も多々あります。
 
では、何故こんな状況が起こるのでしょうか、一言でいえば、それぞれにとってその属する「全体像」が見えない状況があることが大きな要因だと思われます。
 
他人のことも考えて仕事をする気遣いが大切だとの話は当然ですが、その前提にある「あるべき俯瞰図」が全社員に共有されていないとやはりこれは中々難しいことだと、最近は考える様になりました。
 
社員個人の能力を求める前に、それを遺憾なく発揮出来る様に如何に働き易い職場に出来るか、がまずは求められるのだと思います、今後ともそういう角度で経営に取り組んで行きたいと考えています。
2014-03-10 14:50:44 | RSS