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道しるべ

2/28 人間オートメーション

以前に、ネット通販の寵児・アマゾンの話題に触れたことがありましたが、最近にイギリスの経済誌でも「アマゾンの人間オートメーション」とのトピックで、その仕事ぶりが紹介されていた様です。
 
その中で「人間性より効率性を優先する人間オートメーション」との否定的な見方で語られており、アマゾンの配送部門を取材した記者が、社内の様子を以下の様に紹介されていました。
 
まず、薬物・アルコール中毒検査をクリアした労働者は最低賃金に近い金額で3カ月働いた後、正社員になるチャンスを与えられる。
 
サトナブ(衛星測位システム)という機能付きの携帯端末を持たされた労働者がコンピューターの指示通りに動いており、その規模はざっくりサッカー場を9つ合わせた広大な配送センターとのこと。
 
構内では、オレンジ色のベストを着た数百人の労働者がせわしなく歩き回り、サトナブが本を棚から集める最も効率の良いコースを表示を出し、もたもたしていると、「急げ」のシグナルが送られてくる。
 
配送センターの仕事は4分類されており、他の場所から送られてくる本の受け取りライン、配送するための荷造りライン、本を棚に収納する係、注文のあった本を棚から集めてくる係とのこと。

本を集める係の人はサトナブ片手に手押し車を押して、1日8時間、コンピューターの指示通り倉庫の中を歩き回り、昼休みは30分。歩行距離は1日11~24キロ。配送センターから出る時は何も盗んでいないかをチェックする探知機を通らなければならない。
 
以上が、ざっとしたアマゾン配送センターでの仕事のようです。
 
アマゾンのマネージャーは記事の中で、配送センターで働く労働者について「あなた方は人間の姿をしたロボットのようなものだ」「人間オートメーションと表現しても良いかもしれない」とつぶやいていたとの話まで紹介されていました。
 
以前に紹介した様に、アマゾンは最近、キバシステムというロボットメーカーを買収し、より一層ロボットと人間の作業効率を上げることに注力している様です。
 
ただ、昔の「労働搾取工場」と言われた資本家 vs 搾取される労働者という単純な階級史観で語られた時代と現代は本質的に異なり、飽くまで世界のグローバル化の一環としての現象であり、本質的には、水は高所から低きへ流れ落ちる様に、豊かな西洋先進国が、低賃金労働力の「間接輸入」を通じて、貧しい後進国へ富の再配分が行われていると見るべきでしょう。
 
従って、この現象は、不可避であり不可逆でもあるとするならば、我々は一体何をすべきなのか、今こそ問われている課題だと痛感します。
 
そのヒントの1つは、ならば機械やロボットに出来ない事は何かを考える事でしょう、さらに一面では機械やロボットはレギュラーな動き、想定された事態には高い効率を発揮しますが、イレギュラーな動きや想定外の事態や問題には全く無力です。
 
そこが、我々が目指すべき仕事の領域なのではないか、次回はこの点に注目したとても参考になるエントリーを紹介したいと思います。
2013-02-28 09:15:26 | RSS