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道しるべ

2/1 円安と日本経済

今年も早いもので、既にもう1ヶ月が過ぎ、2月の声を聞く事となりました。
 
昨年までは、2月末が決算月だったので、棚卸し等の準備など、なんとなく締めくくりの月との意識で過ごしていた気がしますが、今年は新年度第二四半期の始まりとして、いよいよ今春〜夏に掛けての繁忙期への本格的下準備の期間との気持ちが強く働きます。
 
特に、今年は昨年よりの円安基調がはっきり目に見えて来たことで、輸入商材の原価上昇が懸念されるなど、昨年とは違う状況の中、仕入・販売方針にゼロベースで考え直して取り組む必要がある様です。
 
そこで、世間でいろいろ観測される市況・経済状況ですが、参考になる記事がありましたので、今年の行く末を占う資料として書き留めておきたいと思います。
 
「円安がすすむと日本経済にどのような影響を与えるのか?」(釣 雅雄氏)
http://agora-web.jp/archives/1514307.html
によれば、、
 
*これ以上の円安は特定の産業を助けるかもしれないが、日本経済全体への影響は小さいかむしろマイナス。

*現在は外需の増大(数量)はそれほど期待できず、さらにエネルギー輸入増の問題。そのため(円安により)雇用環境はそれほど改善されないばかりか,悪化する場合もありうる。

日本経済が直面している問題

問題1 エネルギー。エネルギーの高価格定着と上昇圧力。さらに,原子力発電停止による天然ガス等の輸入増大。
問題2 外需低迷。EUの景気低迷や中国の景気不透明感など。

問題1については,エネルギー輸入の基礎的な数量が増加、価格への上昇圧力も引き続きある。
問題2については,かつてのバブル的な世界の好景気はとうてい望めず、円安による輸出数量の増大はそれほど見込めない。

*輸入額は確実に増加しコスト高になり、この状況でさらに円安となれば、例えば、中期的には平均給与が下がり、しかし(生産があまり拡大しないので)雇用は改善しないという事態が予想される(ただし,これは今後円安がさらにすすむときの話)。
 
*円高が改善されたのは良いことで、調整の範囲内であれば国内投資が輸出拡大から誘発されてGDPの純増も考えられる。

*為替がどの程度がちょうど良いのかは議論余地あり。2010年3月頃(ちょうどリーマンショックからの回復が意識された時期)、90円で貿易収支が直近では最も大きくなってるが、これが100円となり半年で3割前後の輸入コスト上昇では影響が大きすぎる(2004年からの2年半での変化は2割弱程度の円安)

本流の中堅経済学者である釣氏の多くの資料を駆使しての考察として無視出来ない見方かと思われます、少なくとも「アベノミクス」効果をもてはやすには早計に過ぎ、慎重に見極めて行かねばならないように感じます。
2013-02-01 08:55:07 | RSS